1.防爆の必要性とその意味
石油類は通常、常温でも気化し、その蒸気や温度によっては、わずかな電気火花(スイッチ類の開閉)や静電摩擦による火花でも引火や爆発する危険性があります。
またガス(LPG やLNG 類)にしても大気中に漏洩し、空気と混ざり合う事で、全く同じ危険が起こり得ます。
このような場所を危険場所といいますが、そこで使用される電気機器は「防爆構造」とする必要性がでてきます。
この「防爆」という語句は防水、あるいは防塵と同じ意味で使いますが、防水および防塵は、それぞれ電気機器を水および塵から守るのに対し、「防爆」は危険場所での爆発事故を防ぐ為に電気機器を何らかの手段で隔離することです。
2.防爆の種類と弊社の主な製作分野
「防爆」は大きく分けて厚生労働省管轄の「工場防爆」と経済産業省管轄の「炭鉱防爆」とに分けられます。
弊社は主に、「工場防爆」製品の設計・製作を行っています。

3.防爆形電気品が必要とされる場所
労働安全衛生法が昭和44年1月29日付で改正され、
防爆検定に合格したものでないと
使用してはいけなくなりました。 (
関連法規はこちらです。)
防爆検定に合格した電気品でないと使用できない場所は、例えば次のような場所です。
4.防爆とその手段
防爆とは、石油類の蒸気やLPG等のガスが存在する場所でスイッチ類の電気火花による爆発・引火を防ぐ
ため手段です。
その手段は、「
爆発性雰囲気(ガス・蒸気の発生)と
着火源(電気・火花スパーク)の発生を
共存させない」、ということです。
共存させないために、いくつかの方法があります。
例えば
① 着火源を強固な箱で被います。 --------→
耐圧防爆
(電気火花により着火した火炎及び高温ガスを箱の外に出さない。)
② 箱内に清浄な空気等を封入して内部の圧力を外部より高くし設定し
外部からの危険ガスの侵入を防ぎます。 ------→
内圧防爆
③ あらかじめ電気火花エネルギーを点火エネルギー以下になるように
システムを構成します。 ----------→
本質安全防爆